# Section2 正書法 正書法と聞くと身構えますが、日本語でいう仮名遣いです。 ほら、「地」は「ち」と読むけど、濁点がつくと「地面(じめん)」のように「じ」になります(×ぢ)よね。 それと同じように、ロシア語でも特定の条件の下で、文字が別の文字に置き換わってしまいます。 > **к , г , х,** > **ч,** > **ш, щ, ж** > のあとには、**ы, ю, я** を書くことができず、その代わりに**и, у, а** を書く というものです。 とりあえず、よくわからないままでいいので、なるべく早く覚えましょう。ы, ю, я の3つが、こないだ作った表(下に再掲)の「ペア」に置き換わります。 ※ыとиのところは硬-軟の入れ替えが逆なので注意しましょう。 ※о, е, ёあたりは正書法が発動しません。ペアがぐちゃぐちゃだから、と覚えておけばいいでしょう。
硬母音の字**〇 а(ア)****× ы(ウィ)** **〇 у(ウ)**э(エ) **о(オ)**
軟母音の字**× я(ヤ)****〇 и(イ)****× ю(ユ)****е(イェ) / ё’(ヨ)**
ともあれ、「**к , г , х,** **ч,** **ш, щ, ж** 」の部分(正書法の発動条件)がなかなか覚えづらいものです。

ま、ここは古くからの覚え方どおり、「**カチューシャ**」で覚えましょう。 ・カチューシャの「カ」:まず「**к**」があります。そしてその有声音の「**г**」、さらに、それらと口の形が同じ「**х**」の3つ。 ・カチューシャの「チ」:「**ч**」ですね。※実は「ц 」も特殊な正書法が発動するっちゃ発動するのですが、基本的に気にしなくて大丈夫です(「цы」などという形も普通にあります)。 ・カチューシャの「シャ」:まず「**ш**」と、形が似た「**щ**」。さらにшの有声音の「**ж**」で3つ。 合計7文字が正書法発動条件になります。

※正書法の覚え方は別にカチューシャじゃなくてもなんでもいいんですけど、к/г/х のグループとч/ш/щ/жのグループの2グループを混ぜないように覚えてください。あとで形容詞の話をするときなど、この2グループで場合分けが発生します。