本編
千葉県蘇我駅~東京都東京駅までを歩きます。路線距離は43kmとのことですが、線路沿いに道がなくて迂回している場所もあるので、実際には45kmくらいはあると思います。
地図はこちら↓
1.蘇我駅
23:28、出発です。付近で開催されていたJAPAN JAMというイベントで大賑わいだった蘇我駅も、地元ヤングの嬌声が聞こえるだけ。
まだ東京駅行きの終電は残っているのですが、迷う思いを振り捨てて、駅から離れます。
空は朧月夜。源氏を思い出していれば、この月を見たときに終電で帰るべきだったのですが…
かわりにこの時脳内に浮かんだのは「雲隠れにし夜半の月かな」。さっきまでバイト先で一緒に働いたKさんと再会できることなどあるかしら、と空虚な想像にふけりながら(派遣バイトなので同僚とは一期一会です)、線路沿いの細道を歩きます。
0:10、ひたすらこの「京葉線通り」を歩きます。
基本的に人通りがありません。車も2分に1台走るかどうか。
ミニパトが走っています。ひどく頼もしく思えます。
線路脇の小道はかなり怖かったので、途中から片側3車線の国道を進みました。ここはまだ車がたくさん走ってますから…
そうこうしているうちに、東京行きの終電に追い抜かれてしまいました。もう帰る手段はありません。
2.千葉みなと駅
00:27到着。1時間もかかってしまいました。この駅が千葉市中心部に一番近いようですが、駅には誰もいません。
休むことなく次の駅へ向かいます。
ここからは直線の道。脇には同じ形の団地がずらっと並んでいます。見通しもよく、明かりもあるので安全です。ただ不気味な単調さにむしろホラゲ感があって怖い…
3. 稲毛海岸駅
01:10到着。
イオンが駅前にあったりして、栄えてる町のようです。こんな時間でも住民の姿があります。
しかしここから歩みを進めると途端に無人に。片側2車線だとはいえ、線路脇の道ですからね。歩道は街路樹や雑草がうっそうと茂って真っ暗です。
そこで、車道を歩くことにしました。見通しがよくて安心です。当然車は走っていないのですが、一応、右側を歩きます。車が万一来ても前方からなので発見できます。
それにしても、コンビニどころか明かりがついている建物がありません。時たま聞こえるおじさんたちの話し声がほんとに恐ろしい…
4. 検見川浜駅
01:37到着です。
駅前には人の姿こそありましたが、とても暗い…
勇気を出して、そのまま次の駅に向かいます。
暗い道が続きましたが、途中から高級そうな団地になりました。やや近未来的で誰もいないので美しいのですが、無機質な世界です。まどマギに出てきそう。
さてそのまま線路沿いを進むと、公園に出くわしました。夜中の公園は決して通ってはいけないですので、回避します。1kmくらい回り道をしました。
(↓回り道途中)コナンの東都大学ってほんとにあるんかい
5. 海浜幕張駅
02:15到着。幕張だけあってでかい駅ですね。若者もいます。物流のおじさんたちも忙しそうです。
イエス!コンビニ! 千葉みなと駅~稲毛海岸駅間にあったミニストップ以来です! コンビニはセーブスポットのようなものですから、たくさんあってほしい。
02:30 セブンで夜食を買ってちょっと休憩。
5分後に再出発です。
少し冷たい風が出てきました。
そのあと少し歩くと、超巨大なイオンが出現しました。コストコもありました。
6. 幕張豊砂駅
03:10到着。とても新しい駅ですが(だから?)、残念ながら夜食のゴミを捨てるゴミ箱がありません。コンビニにもないもんなぁ…
仕方なくまた歩き始めます。
幕張は本当に道路が新しいです。ただ3時台になるとトラックもほとんど走っていません。
少し進むと、物流の施設がたくさんありました。
7. 新習志野駅
03:46到着。
神ですねここ。ゴミ箱、トイレ、コンビニ、ベンチが全て24時間使えます。
(↓トイレ)
(↓ゴミ箱)
ということで、京葉線を走破する際には、新習志野駅の活用を頭に入れておきましょう。
ゆっくり休んで、04:00に再出発。
04:15になると、空がうっすら白みはじめました。そういえば高校で行事がある日には、運営委員として4:50発の始発で投稿してたんですけど、そのときの雰囲気を思い出します。
道中、谷津干潟を発見。奥に走ってるのが京葉線ですね。
04:25 そろそろトラックが増えて、信号を守らないといけなくなってきました。それにだいぶ明るくなって安全なので、そろそろ歩道を歩いていきます。
船橋市に入りました。
8. 南船橋駅
04:38到着。すっかり朝で、駅周辺では人の往来も見られます。
ちゃんとベンチがあったので朝ごはん(さっき買ったおにぎり)を食べて休み、05:00に出発です。
出てすぐに巨大なIKEAを発見しました。昔和歌山に住んでいたとき、大阪のIKEAに行って食べたホットドッグのことを思い出します。
もう始発が出ている時間です。電車にどんどん追い抜かれるようになりました。
05:30 なんか雨らしきものが降り始めました。やばいかも。
ところで、聞くところによるとここから田舎らしいんですよね。でも、わりと線路沿いが大きな車道だったので、そんなに怖くはありませんでした。明るいし。
そして市川市にin。
9. 二俣新町駅
05:46到着。
少し休んで出発すると、雨が降ってきました。仕方ないのでローソンで傘を買います。800円もしましたが、わたしは普段コンビニを使わないので、もらい物のクオカードが3000円分くらい余ってるんですよね。だから遠慮せずにクオカードを切っていきます。
傘をさしながら、国道沿いにひたすら進んでいきます。
10. 市川塩浜駅
07:15到着。付近にラブホらしき建物が数軒ありました。「ディズニー割」とでかでか書かれた看板が。
かしこい。
浦安市突入。
11. 新浦安駅
07:48到着。結構都会ですね。もうさすがに人もたくさんいます。
ここからひたすら終わりの見えない直線道。絶望感がそろそろ始まります。
12. 舞浜駅
1時間ほどひたすら直進し続けたのち、08:44到着。ディズニーがすぐそばにあるんですね。人生で初めてディズニー見ましたが、もう9時前なのに千葉を出ていないという事実に震えてまったく感動はありませんでした。
ディズニーの町だけあって、まわりの建物もおしゃれな西洋風です。
旧江戸川(江戸川と別なんですね)にかかる長い橋を渡っていると、やっと東京に入りました!
13.葛西臨海公園駅
09:18到着。トイレや椅子もあり、ちょっと休めました。もうそろそろ足が限界です…
もう半分は行ってる、と自分に言い聞かせて、なんとかがんばっていきます。
やがて江東区に入りました。
江東区に自宅があるので、ここらへんで切り上げて自宅に直帰しようかという考えもわきましたが、それじゃ意味ないじゃんと思い直し、歩みを進めます。
14. 新木場駅
10:14到着。なんか「La Salle」と書かれたジャージを着た女子の一団とすれ違い、とうとう幻覚にさいなまれたかと思って絶望しました。あれなんて書いてたんだ?
15. 潮見駅
夢の島などを通り、10:46到着。雨も降りしきる中、足が絶望的に疲れています。
イスも何もなく、コンビニで適当にご飯を買って、高架下に座り込んで食べました。
…ここでお弁当を買ってしまったのが悪かったですね。ボーっとしてて、ゴミをどこで捨てようなんて考えていませんでした。なにぶんバイトだったのでウェストポーチ一つで行っており、ゴミを入れるものがないんですよね。
頭ではわかっていましたが、東京都内はほんとにゴミ箱がないのだと深く実感。改めて東京が嫌いになりました。疲れていることもあって、日頃から感じている東京の嫌なところが次々と頭に浮かんできます…人が多すぎる…空気が悪い…狭い…
メンタル面でもそろそろやられてきました。雨の中お弁当殻を持って、ひたすらゴミ箱を探しながら次の駅へと向かいます。
しかし、線路沿いに進んでいたつもりが、いつの間にかどこにも京葉線が見当たりません。
グーグルマップで次の駅を検索して、それで向かいます(こんなんでいいのか)。
16. 越中島駅
ゴミ箱も線路もどこにもないせいで彷徨いまくった末、12:11到着。この区間(潮見~越中島)が一番つらかったですね。島と水路が入り組んでいるから道が複雑すぎるうえに、スマホの充電が残り9%でグーグルマップをずっと使うこともできない…。いろいろ絶望的な状況で頭も働かないから道を覚えることもできない…。
這う這うの体で越中島駅に到着。そこで線路消失の謎がやっとわかりました。
京葉線が地下を走ってるんです!
そんなこと知らねーよ…
でも、わからなかったことが一つ解決すると途端に希望が出てくるものです。次の八丁堀駅までの区間は道もわかりやすく、近かったのでまた元気が出てきました。
そしてついに…
12:29、やっとゴミ箱が見つかりました! 現場は墨田川沿いのどこかの公園。コンビニにも駅にもゴミ箱が消えていく中、公園だけが最後の希望ですよ、ほんとに。
途端に希望が戻ってきました。重くて痛かった足も、もう何も感じません。
17. 八丁堀駅
12:50到着。やっぱ地下なんですねぇ。でももうほぼほぼ東京の中心部。元気に前を向いて歩きます。
18. 東京駅
八重洲口に13:14に到着です! 最終的に14時間くらいはかかりましたね。
長かった旅路が終わったという感懐よりも、もう早く帰りたい寝たい辛い…という絶望感が一気に押し寄せてきました。
幸い、近くにベンチがあったので15分くらい座って休みました。
そして大手町駅まで5分ほど歩いたのち、電車に乗って、最寄り駅から15分くらい歩いて帰宅。
帰った後はお風呂に入って、それから16時間くらい眠りましたとさ。
No Comments